丹後・宮津は古くから栄えた城下町である．
そんな歴史ある宮津の旧市街地エリア内に住宅を建てる依頼をいただいた．

敷地は和貴宮神社の参道に位置し，毎年5月におこなわれる宮津祭の風情を守るためにも外観の設計は重要であると考えた．
地域の歴史的景観を守り，良好なコミュニティを未来に受け継ぐデザインとはどうあるべきか，長い時間模索した．

同時に内部の設計についても，ご主人希望のBARコーナーや奥様希望のアイランド型キッチンをはじめ，さまざまな暮らしの夢を実現した．

将来南側隣地に建物が建ったとしても日照や通風が阻害されない形状にすることはもちろん，冷涼でとくに冬場の日照時間が短い日本海側気候を考慮してリビングなどの共用スペースに多く日射を取り入れ，冬場も暖かい暮らしができるよう考えた．

設計依頼を受けてから竣工まで3年と少し，クライアントご家族ともじっくり相談しながら歩んできた道のり．
施工は地元で長年の信頼を築かれた工務店にお願いをして，フットワークが軽くて何よりアットホームな現場を築き上げることができた．

用途　一戸建ての住宅
竣工　2022年10月
施工　太田建築
写真　松本朋也⁡⁡