WORKS事例
2021年7月に世界自然遺産に登録された奄美大島.
その海の玄関口,名瀬港近くの港湾倉庫が今回の空間素材であった.
古くは生業,近代以降の産業のような,その地域を支えた用途の片鱗を残す建築は美しいものだ.
例えば,白川郷や五箇山の合掌造り民家,西陣の織屋建て町家,伊根の舟屋,泉大津・浜街道の毛織物工場と町家の混在した風景など.
離島の玄関口として発展した名瀬の町並みの特徴,通りに並ぶ港湾倉庫もその類例の一つであると思う.
「ワーケーション拠点をつくる」
手を打たなければ消えゆく歴史と文化に根ざした建築を,魅力的に蘇らせることができたと評価している.
入り口の鋼製建具を全開にすると、港湾倉庫建築の特徴を活かして全面道路にオープンな佇まいにも出来る.
季節や使用状況に応じて街への開き方を変化させられるのが,シェアオフィスとしてこの建築の一番おもしろいところである.
用途 事務所
竣工 2021年11月
施工 IIDAKKA
写真 北條豊和