WORKS事例
この計画にはどうしても外壁に瓦を使いたいという私の思いに賛同してくださったクライアント,そして難易度の高い詳細な施工図検討をしてくださった野口建設,外壁モックアップを製作するために得難きアドバイスをくださった大栄窯業・道上社長,野水瓦産業・野水専務に対し,深く感謝している.
伝統的な建築には瓦があって,現代的な建築には瓦はないということが一般的であることに違和感を覚えたのが出発点だ.
伝統素材と現代建築,それも多額の税金が投入される公共建築ではなく一般の商業建築がそれにチャレンジすることに都市的な意味があると思っている.
強風圧や地震動に対する確実な安全確保は当然ながら,飛翔物による破損時の欠片の脱落防止,瓦1枚ごとの交換を可能とする取付け方法,定期メンテナンスを全面的に行う方法の確立など,たくさんのことを設計段階で検討した.
さまざまなハードルや常識を乗り越えて,現代都市に瓦の風景をひろげたい.
用途 テナントビル(飲食店・事務所)
竣工 2025年12月
施工 野口建設株式会社