株式会社 MST Holdings 本社工場|環創研/北條建築事務所
敷地外との関わりを展開した
特殊金属溶接加工工場

株式会社 MST Holdings 本社工場

大阪府岸和田市

#事務所#工場#社屋

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クライアントは特にアルミ・ステンレスなどの特殊金属溶接加工分野で高い技術を持つ企業である.
事業拡大に伴い旧工場が手狭になったため,新工場の計画がおこなわれた.
古くは田園と農村風景が広がったこの地域であるが,現在は物流の利便性の良さから多くの工場が建ち,農地や民家と混在するエリアとなっている.

基本設計の最初に,いかにも工場といった普通の箱型建物ではダメ,みんながあっと驚く岸和田で一番の工場を建ててほしいと,クライアントに言われたことが深く印象に残っている.
設計者なりに端的に解釈すれば,それは敷地の外との関わりを重視したいということである.
混沌としていると言えなくもない地域景観に一石を投じ、視覚デザインにパブリック性を持たせることで、風景に今後の方針を与え、結果としてその企業価値が高まっていくような提案を考えた.

工場という用途は本来,内部の生産能力などの機能性,そして労務環境としての安全性が重要であり,出入りする人や物の流れから生じる建築的変化は少なく,言うなれば閉鎖的な空間である.

しかし,それ以外の側面に敢えて明確に焦点を当てることで,周辺地域などの敷地外との関わりを積極的に持とうとしたことが本計画の特筆すべき点だと考えている.

ファサードに使用したアルミ製エキスパンドメタルは,設計段階から施工段階に至るまで特に時間をかけて検討を重ねた.
いくつかの試作品に表裏さまざまな角度から照明を当てて実験をおこない,季節や時間帯に応じた空間変化を設計意図に近づける修正を繰り返した.

竣工式の日に,おもしろい仕事をさせていただいたお礼をクライアントに伝えたとき,岸和田どころか大阪で一番の工場ができたと言ってもらえ,すべての努力が報われた.
設計者冥利に尽きる経験をさせてもらったことに大変感謝している.

用途 工場
竣工 2024年7月
施工 ヒロタ建設株式会社⁡
写真 笹の倉舎 / 笹倉洋平⁡⁡

GALLERY

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