所長BLOG

2017年10月13日見積依頼のパターン

 

工事をする際、ゼネコンや工務店に見積を依頼します。
そのパターンは大きくわけて3つ。

 

①競争入札
公共事業や補助金案件で一般的に使われる方式です。
入札会で一番低い見積金額を提示した施工者に発注が決まります。
民間事業かつ公的資金が動かない場合は敢えて競争入札は行いません。

 

②見積合わせ
複数の施工者に設計図書を預け、見積を依頼します。
入札のような厳格なルールはなく、見積金額も含めた総合力で審査します。
複数社の見積金額を把握できるため、クライアントにとっては金額に納得して工事することができるでしょう。

経済的にもメリットが大きく、交渉の自由度も高い方式ですが、スケジュールには余裕をみておく必要があります。

 

③特命
1社指名で設計図書を預け、見積を依頼します。
設計段階から施工者との打合せを行うことが可能なので予算管理を行いやすく、きっちり調整すれば設計が終わり次第着工することも可能です。
その反面、1社の見積金額しか把握できないため金額の比較検討ができず、クライアントにとっては工事費の相場感をつかみにくい特徴があります。また見積金額と予算がどうしても折り合わない場合は設計変更での対応しかできなくなります。

 

競争入札は補助金が絡むと必ず必要になるので、選択するというよりは制度上やむなしと言ったところ。

問題は見積合わせと特命のどちらを採用するかです。

ここ最近は建設業界が売り手市場ということもあり、見積合わせでゼネコンや工務店に見積依頼しても断られることがよくあります。また見積の依頼ができたとしても以前ほど競争の原理が働かない印象があります。
設計は順調に進んでも、施工者がなかなか決まらず着工が遅れるケースも見受けられます。

私はこれまでは基本的にクライアント目線で見積合わせを推奨してきましたが、案件によっては特命発注した方がクライアントにとってメリットが大きいのではないかと思うことも増えてきました。
当然ケースバイケースの判断が必要なので、これまで通り案件ごとにクライアントと相談しながら決めていきたいと思います。

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