所長BLOG

2018年11月12日見積依頼の3つのパターン

※本記事のベースは以前にも掲載したものですが、重要な内容につき加筆修正しての再UPです。

 

建築工事を行う際、ゼネコンや工務店などの施工業者に対して、設計図書に基づいて見積を依頼しなければなりません。

その見積依頼のパターンは大きく分けて3つあることを知って頂きたいと思います。

 

 

①競争入札

公共事業や補助金事業で一般的に使われる方式です。

入札会で一番低い見積金額を提示した施工業者に発注が決まります。

民間事業かつ公的資金が動かない場合は敢えて競争入札は行わないことがほとんどです。

一般競争入札や指名競争入札など、いくつかの方式に分かれます。

 

 

②見積合わせ

複数の施工業者に設計図書を発行し、見積を依頼します。

入札のような厳格なルールはなく、見積金額を含めた総合力で審査します。

複数社の見積金額を把握できるため、クライアントにとっては金額に納得して工事を進めることができるでしょう。交渉の自由度も高い方式ですが、工事請負契約までのスケジュールには余裕をみておく必要があります。

 

 

 

③特命

1社指名で設計図書を発行し、見積を依頼します。

設計段階から施工業者との打合せを行うことも可能であり予算管理を行いやすい反面、1社の見積金額しか把握できないため金額の比較検討ができず、クライアントにとっては工事費の相場感をつかみにくい特徴があります。また見積金額と予算がどうしても折り合わない場合は設計変更での対応しかできなくなります。

 

 

競争入札は補助金が絡むと必ず必要になるので、選択するというよりは制度上やむなしと言ったところ。

問題は見積合わせと特命のどちらを採用するかです。

 

ここしばらくは建設業界が売り手市場ということもあり、見積合わせでゼネコンや工務店に見積依頼しても断られることがよくあります。

また見積の依頼ができたとしても競争の原理がほとんど働かない状況が続いています。

設計は順調に進んでも、施工業者がなかなか決まらず着工が遅れるケースも見受けられます。

 

私はこれまでは基本的にクライアント目線で見積合わせを推奨してきましたが、案件によっては特命発注した方がクライアントにとってメリットが大きいのではないかと思うことも増えてきました。

当然ケースバイケースの判断が必要であるため、これまで通り案件ごとにクライアントと相談しながら進め方を決めていきたいと思います。

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