所長BLOG vol.320 泉大津市文化財保護委員会|環創研/北條建築事務所

所長BLOG

2024年07月01日所長BLOG vol.320 泉大津市文化財保護委員会

本日(7/1)は,泉大津市文化財保護委員会.

2期目の委嘱状をいただき,委員3年目に入りました.

 

 

建造物については,“保護=活用” だと思っていますが,そういう意味では当市は発展途上です.

 

素材としては素晴らしいものがあり,国指定史跡「池上曽根遺跡」や国指定重要文化財の本殿1棟・摂社2棟がある「泉穴師神社」は言わずもがな,民家建築も旧紀州街道沿いの国登録有形文化財「田中家住宅」をはじめ,近世・近代以来の形状を留める建築がたくさん残っています.

 

特に「南溟寺」を起点として中世以前の町割りがよく残る「浜街道(旧内町筋)」エリアは、近世前期に発展した「旧紀州街道」エリアと併せて力を入れたいところ.

国産毛布の約90%のシェアを誇る泉大津の織物産業の歴史は,浜街道の街並み景観を語る上でも欠かすことができません.

 

文化財や歴史が好きな方々のフォローをすることも委員会の仕事なのですが,そういう方々はほっておいても自ら興味を深めて勉強していきます.

 

私が思うに一番大事なのは,文化財や歴史に興味がない人に対して,いかに興味をもってもらうきっかけを作れるかということ.

文化財や歴史の学びが,これからの未来をつくるために必要であることを多くの方々に知ってもらいたいと思って活動をしています.

 

今日うれしかったのは,地元の中学生チームが地域の文化財を紹介したいと言って,いくつかのお寺と交渉してイベントを企画しているとのこと.

そういった若い芽を育てる下支えをしていきたいと思います.

 

悲しかったのは,旧大津村最古の民家が解体されてしまったこと.

泉大津市史第五巻の民家建築の稿でも筆頭に載っていて,少なくとも18世紀後半にまで遡る,庄屋と網元を兼ねた大型町家でした.

本格的に調査をすれば国指定重要文化財になる可能性のある建築だったと思います.

 

泉大津の皆さま,歴史・文化財関係の皆さま,これからもよろしくお願いいたします.

ARCHIVE